あらすじ
薬剤師たるもの退職する理由で困ることがある
薬剤師うさぎ
今の薬局辞めたいな。
だけど、何て会社に言えば良いのだろう。
下手なことを言うと、引き留められそうだし。
できれば円満に辞めたいと思ってるんだよね。
他の人は、何て言って辞めてるのかな。
・・・次の会社の志望動機も考えなきゃいけないしなあ~。
「転職したいけど、こんなことで辞めていいのかな?みんなは、どういう理由で辞めているのだろう。」
「円満に辞めるためには、会社にどのように伝えれば良いのか分からない。」
「転職のための志望動機はどうしよう。」
この記事は、
“薬剤師の転職理由が知りたい方”
“会社と円満に退職するための秘訣が知りたい方”
“次の転職先の志望動機について考えている方”に向けて書いています。
こんにちは。
私は、薬剤師6年目で現在は派遣薬剤師として働いているこぐれはること申します。

私が新卒で入社し正社員で働いていた調剤薬局は、見込み残業20時間・年間休日110日の調剤薬局でした。(基本給21万・薬剤師手当5万)
給料も休みも少ないというダブルパンチの薬局だったので、入社時に30人いた同期は、3年半後に私が辞める時には12人になっていました。

当時その会社の離職率は高く、会社からはどうしても人を辞めさせたくないという雰囲気がひしひしと伝わってきました。
そのため、円満に退職するためには誰もが納得する理由を考える必要があったのです。

実際に退職を伝えたときのことを思い出すと、あの時にもっと筋道を立てて上司と話し合えていたら、今よりも後悔なく辞められたのではないかという不甲斐なさもあります。
今現在あなたが、他の方の転職理由を参考にしたい、円満に退職したい、転職先の志望動機に困っているようであれば、今回の記事が役に立つと嬉しいです。
薬剤師が転職する理由
まず一般の方の転職理由を見てみましょう。
(参考:マイナビAGENT)
斎藤ヤクミ(薬剤師免許を持つ自称転職解説員)
こんにちは、斎藤ヤクミです。
上の図は、転職業界においてトップを走るマイナビAGENTさんが厚生労働省の「H28年雇用動向調査結果の概況」から抜粋し作成した資料です。
こちらの資料から、みなさんの転職理由が分かりますね。
【転職理由ランキング】
- 給料が少ない
- 労働時間、休日などの労働条件が悪い
- 職場の人間関係が悪い
薬剤師の方も、給料・休日・人間関係の理由で辞めてしまう方が多いのではないでしょうか。
その他には、下記の理由で薬局を退社する方が多く見受けられます。
- 結婚などの変化
- 職場の環境の変化
- スキル/キャリアアップがしたい

薬剤師が転職する時に円満退職をするには?
まず、円満退職とは何を指すのでしょうか?

円満退職とは・・・
これまで勤務してきた会社にて、お互いに納得・理解を形成し、スムーズな引継ぎを経るとともに後を濁さず職を離れること。(参考:コトバンク)
さて色々と理由はあると思いますが、円満に退職をするためにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、ハルコさんが退職を伝えた時のエピソードを見てみましょう。
ハルコ
人事部長
お給料も休みも両方とも少ないなんて・・・もう辞めよう。
結婚はまだまだ先だから、手術を控えている父親を理由に辞めるか。
そして、人事部長との面談で・・・
「すみませんが、父が手術をすることになってしまい、両親のそばにいたいので辞めます。」
「実家って埼玉だよね。それって、あなたが看ないとダメなの?」
「(全然、納得してくれなかった~)。そうですね~、兄も家を出ていますしね~。」汗
「そうなんだ。まあ、ちょっと考えてみて。」
(やはり、すんなり辞めるためには、あの手段しかないのか・・・?)
・・・で、後日。
「この間の件なんだけど。」
「実は半年後に結婚の予定があり、それまで親孝行がしたいので今は実家に帰りたいです。」
「そうなんだ、結婚の予定があったんだね。彼は東京の人?」
「そうです。(あー、他の人には東京の人って言っているから嘘つけねえ。次に何を言われるんだ!)」
「じゃあ、また結婚する時にここに戻ってきたら?」
「ええ~、良いんですか?ぜひ機会があれば!!(・・・今はなんとか辞められそう!!)」
(結婚するって言っちゃったけど、いつかお薬手帳の印鑑で「あいつ結婚してねえ~」ってバレるかも。)
今後のことを考えると、うまい理由ではなかったわね。
だけどハルコさんのタテマエは、意外と円満退職をするために使われていることなのよ。
というのも、円満というのは双方が納得・理解して辞めることを指すの。
だから、円満に退職するためには会社への不満ではなく、個人の理由にした方が良いのよ。
この4点が、よく使われる理由ね!
- 将来やりたいことがある
- 結婚を機に退職する
- 家庭を守りたい
- 健康問題を優先したい
1.将来やりたいことがある
薬剤師であれば、
- 病院で働く夢が諦めきれない
- OTCの勉強がしたいのでドラッグストアで働きたい
- 漢方をメインで扱う薬局に転職したい
- 在宅に力を入れているところで勉強したい
など数多くのスキルアップがあります。
現状への不満ではなく、前向きな思いを素直に伝えることで応援してもらえる可能性も高くなります。

2.結婚を機に退職する
調剤薬局は特に女性が多いので、結婚を理由に退職する方がかなりの人数います。
そのため結婚を理由に退職する場合は、会社側も対応に慣れており、受け入れもスムーズに行われることが多いです。

3.家庭を守りたい
もうすでに結婚している場合や、親の介護が必要なときに有効です。
最近では高齢化も進み、親の介護のために退職をする方も多いです。

4.健康問題を優先したい
大きくウソをついてしまうと信用がなくなってしまうので「健康面で仕事を続けるのが厳しく、療養がしたので・・・。」くらいに留めておく方が良いでしょう。
健康面はデリケートな部分なので、休職ではなく転職であれば深く詮索してくることは少ないと思います。

退職理由にタテマエを使う時に注意するポイント
タテマエを使うときに注意するポイント
- 退職までの期間にタテマエとバレないようにする
- 退職後のことをよく考える
タテマエを使う場合には、退職後のことをよく考えるようにしましょう。
薬局業界は狭いので、以前の職場の近くに再就職先を決めたいときは、より注意が必要です。

一緒に過ごした仲間は大切にしたいですね。
本音で退職理由を伝えるときの注意点
いくら円満と言っても、タテマエを述べて本当の理由をあやふやにしたくないという方!
会社に引き止められたり、話がこじれる可能性があっても、本音で話したいなら良いと思う。
もしかしたら、会社自体が変わる可能性もあるし、あなただけ条件が良くなる可能性もある。
ただ周りから会社と揉めた人というレッテルを貼られても、落ち込まない強い信念が必要よ!

失敗から考える、今後どういう職場を選ぶべきか
年収が低くて退職する場合
- 求人票の給与を確認する(月給or年俸)
- 基本給を確認する
- 固定残業制ではないか確認する
- 退職金があるか確認する
1.求人票の給与を確認する
月給制では毎月安定した給与がもらえますが、飛躍的に給与がアップすることはありません。
また、年俸制では契約した1年間は提示された金額が支払われますが、会社の業績悪化などによっては次年から金額が下がってしまう可能性もあります。
両者のメリット・デメリットを理解し、自分で納得できる給与体系を選ぶようにしましょう。
2.基本給を確認する
薬剤師手当、調整手当、住宅手当などで給与が高く見える場合があります。
しかし、ボーナスや退職金は基本給から算出されるため注意が必要です。
求人票には全て含んだ月給・年俸で記載されている場合が多いので、転職会社の担当コンサルタントに基本給については確認した方が良いでしょう。
3.固定残業制ではないか確認する
固定残業制は、他に見込み残業制やみなし残業制と呼ばれることもあります。
あらかじめ決められた時間分が給与に含まれている制度のことを言います。
管理職は固定残業制を採用している会社が多いですが、一般社員でも固定残業制の会社があるので注意をしましょう。
4.退職金があるか確認する
退職金は、会社に支払い義務はありません。
また3年以上で退職金発生など、会社ごとに異なるので求人票で記載を確認するようにしましょう。

労働時間、休日などの労働条件が悪いので退職する場合
- 処方箋枚数・主な応需科目を確認する
- 薬局の人数構成を確認する
- 在宅や施設の件数を確認する
- 年間休日・残業時間を確認する
1.処方箋枚数・主な応需科目を確認する
忙しさをはかるためには、処方箋枚数は重要なポイントになります。
しかし、その時に処方箋の主な応需科目も一緒に確認する必要があるでしょう。
眼科や皮膚科、整形外科などの比較的軽い処方箋と、大学病院の重い処方箋の内容では1枚にかかる時間に差が出てしまい、同じ処方箋枚数でも忙しさが異なります。
2.薬局の人数構成を確認する
店舗の人数を確認するだけではなく、正社員とパートの人数も確認する方がよいでしょう。
基本的に夕方以降は正社員のみになる可能性が高く、パートの方が多い職場では正社員の負担が大きくなる傾向にあります。
3.在宅や施設の件数を確認する
最近では、在宅や施設を多く持つ薬局も増えてきています。
在宅や施設では、一包化やホチキスどめなど外来よりも時間がかかる作業が多くあります。
その一方で外来とは異なり、すぐに準備する必要がないため、作業を後回しにできてしまいます。
そのため営業終了後に在宅や施設の準備をする場合も多く、遅くまで残業する可能性が高いです。
4.年間休日・残業時間を確認する
求人票の年間休日や残業時間の記載を必ず確認しましょう。
年間休日が120日以上だったり平均残業時間が10時間以内などアピールポイントになる場合には記載されることが多いです。
しかし逆に、休日が少なかったり残業時間が多い場合には記載されていないことがあるので注意が必要です。

職場の人間関係が悪い場合
- 職場見学に必ず行く
- 転職会社の専任コンサルタントに職場の雰囲気を確認する
- 紹介予定派遣制度を利用する
1.職場見学に必ず行く
職場の雰囲気が良いかどうかは、人によって感じ方が変わります。
そのため、必ず自分の目で見て判断する必要があるでしょう。
2.転職会社の専任コンサルタントに職場の雰囲気を確認する
転職会社の中には、職場の雰囲気を評価しているところがあり、面接に進むかどうかのヒントになります。
ただし上記に述べたように、雰囲気の感じ方は人それぞれなので、全てを信じすぎないほうが良いでしょう。
しかし転職会社が1つ1つ薬局まで出向き、情報を得る努力をしている点について評価ができるのではないでしょうか。
3.紹介予定派遣制度を利用する
(参考:ファルマスタッフ)
絶対転職に失敗したくないのであれば、紹介予定派遣を利用するのも良いでしょう。
紹介予定派遣とは実際にその薬局で派遣薬剤師として働き、お互いに気に入れば就職できるという制度です。
この制度を利用できる転職会社は少なく、その中でファルマスタッフでは1500件以上求人が出てきたので、気になるようであれば登録するのも良いかと思います。
ファルマスタッフの登録はこちら

薬剤師が転職先に伝えるべき志望動機
転職理由には“一貫性”が重要!
一貫した流れで、相手に「なるほどな」と納得させられるような理由を考える。
そのうえで、面接で会社側が確認したいポイントはココ!
- 入社後すぐに辞めないか
- 会社や周囲のせいにする思考が強くないか
- 会社の雰囲気に合った人物か

この順で考えをまとめてみましょう。
「前職で生じた問題点」
→「自身の考え・思い」
→「貴社では、前職で生じた問題点を解決できる環境が整っている」
この時に、転職理由をポジティブに変換して伝えられると良いでしょう。

ポイント①入社後にすぐに辞めないか
人材の採用には、とてもお金がかかっていることはご存知でしょうか?
転職会社に求人を載せるために数十万円、また実際に採用が決まるとあなたの年収の20-30%が仲介手数料として転職会社に入ります。

目に見えるお金だけではなく、新人が入ったことにより一時的に業務の負担が多くなるなど、人材を育てることに対してもお金はかかってしまいます。
このように、会社側にとっては採用した人材がすぐに辞めてしまうと大きな負担になってしまうため、長く勤めてくれるかどうかが重要になります。

ポイント②会社や周囲のせいにする思考が強くないか
問題点を自分以外の会社や周囲のせいにすることを「他責」と言います。
なぜ他責思考が問題なのか?
それは、自分には問題解決のためにできることはないと考えている点です。
自分には何もできない=行動しないでは、会社にとって有益な人材ではないと判断されてしまいます。

ポイント③会社の雰囲気に合った人物か
周りの方と上手くやっていけると判断される可能性が高いため、雰囲気が似ているというのは大きなメリットになります。
中小規模の薬局では特に人材を厳選する余裕があるため、似た雰囲気の方が集まる傾向にあります。

おすすめの転職会社
後悔しないよう転職活動は慎重に!!
数多くの求人を取り扱う転職会社から、あなたにピッタリの求人を探してもらいましょう!
ファルマスタッフ
私はファルマスタッフを利用して派遣薬剤師として働いています。
正社員に疲れてしまったら、少しの間派遣薬剤師として知らない土地で働くのも楽しいかもしれません。
正社員も高額年収の求人がウリです!
薬キャリ(旧:エムスリーキャリア)
薬剤師登録者数No.1の転職会社。
私も登録はしています!正社員で転職する際は、ファルマスタッフと比較して選びたいですね。
人が集まるところに求人も集まるので、外せない一社ではないでしょうか。
マイナビ薬剤師
有名女優の方がCMしているため、認知度が高く人気があります。
私はDI業務を扱っている企業の職場見学に行くときに、マイナビを利用しました。
調剤薬局での勤務に疲れちゃうときもありますよね!

めんどくさくても、一生のことなので今が頑張り時です!!