こんにちは!
薬剤師6年目、現在派遣薬剤師のコグレハルコと申します。
大学卒業後に勤めていた調剤薬局では約2年間、管理薬剤師として働いた経験があります。
今回の記事では、その当時の仕事内容と管理薬剤師になるメリット・デメリットについてまとめました。
“今後、管理薬剤師として働くことが決まっている方” や、“いつか管理薬剤師として働いてみたい方”の参考になると嬉しいです。

あらすじ
1.管理薬剤師の仕事
管理薬剤師は、調剤薬局と医薬品の一般販売業の2つの業種で必要になります。

薬局を開設するにあたり、その店舗の責任者を配置する規定があります。
その責任者が、管理薬剤師です。
ただし管理薬剤師と言っても、特別な資格はありません。

管理薬剤師も、調剤監査投薬など一般の勤務薬剤師と同じ業務を行います。
その薬剤師業務に加え、管理者としての仕事がプラスされることになります。
管理者としての仕事は、以下の2つから成り立っています。
- 薬事法や薬局運営ガイドラインなどを参考に、厚生労働省が指示しているもの→管理者全員に共通
- 会社から指示されるもの→会社により異なる

2.管理薬剤師の責務
厚生労働省のHPで管理薬剤師の責務について掲載されています。
- 「管理」業務
- 適正な使用のための「情報提供」業務
- その他(副作用情報の収集、報告等)

1.管理薬剤師の仕事:管理業務
1-1.従業員の監督
- 薬剤師やその他のスタッフが、適切に接客や情報提供の適否などの業務を行っているかの監督
- 薬学的知識が必要な事例で、従業員ができない場合への対応

1-2.医薬品等の管理
- 医薬品の適正管理
- 医薬品とその他を適正に区別し貯蔵、陳列
- 医薬品等を適正に保管
- 設備の不備などを開設者に改善するよう意見
- 不良品などの発見、処分

2.管理薬剤師の仕事:情報提供業務
情報提供業務については、管理薬剤師が自ら行うか、または他の薬剤師に行わせる義務があります。
- 購入者が求めている医薬品が不適当ではないかの判断
- 医薬品適正使用のための服薬指導、情報提供
- 購入者ごとに提供すべき情報の範囲を判断
- 購入者からの医薬品副作用の苦情・相談受付
- OTCで対応できない場合の医療機関への受診勧告
- 購入者のアフターケア

3.その他(副作用情報の収集、報告等)
- 必要な情報を常に入手、活用、提供できる体制を整備
- 緊急安全性情報等、医薬品の有効性・安全性情報の収集
- 厚生労働省への副作用情報の報告

3.実際の管理薬剤師の仕事内容
では、会社側からは管理薬剤師としてどのような責務を求められているのでしょうか。
今回は、実際に私が勤めていた会社で管理薬剤師の仕事として任されていたことを紹介したいと思います。

管理薬剤師の仕事
- 人材育成
- 店舗売上・薬品在庫管理
- 薬局会議の参加
- 近隣の病院、薬局、他職種との交流
- クレーム対応
- シフト管理
- 店舗携帯所持
1.人材育成
新人教育などの人材育成も、管理者の仕事になります。
“新人が職場の雰囲気になじめているか”・“順調に仕事を覚えているか” について管理者が把握し、必要があれば新人本人や、他のスタッフに改善点を指示する責任があります。

2.店舗売上・薬品在庫管理
管理薬剤師は、患者対応などの一般的な薬剤師業務に加え、店舗運営に携わることが求められます。
そのため店舗の売り上げを伸ばす努力とコスト削減が、薬局長のスキルとして必要になります。

3.薬局会議の参加
基本的に数店舗ある薬局では、管理者が集まり会議を行っています。
その薬局会議で他の店舗の管理者と交流し、自身の店舗の現状や改善点を把握してもらえるよう努めます。

4.近隣の病院、薬局、他職種との交流
管理薬剤師は店舗の責任者として、近隣の病院のDr.や他の薬局への挨拶回りをする必要があります。
地域によっては、他の薬局の管理者同士で集まる定期集会や、請け負っている在宅患者のケアマネ会議への参加を求められる場合があります。

5.クレーム対応
管理薬剤師は、利用者からのクレームがあった場合は率先して対応することが求められます。
調剤過誤など大きなミスがあった場合には、患者さんの自宅まで謝罪に行くケースも多いです。

6.シフト管理
店舗の業務を円滑に進めるために、シフトを作成しスタッフの出勤管理をします。

7.店舗携帯所持
加算のため、24時間対応をしている薬局がたくさんあります。
閉局後の患者さんからの問い合わせは店舗携帯へ転送され、その携帯を管理薬剤師が所持する場合が多いです。

4.管理薬剤師になるための方法
管理薬剤師になるには、基本的に2つの方法があります。
- 昇進
- 転職

1.管理薬剤師のなり方:昇進
まず1つ目は、一般の勤務薬剤師から管理薬剤師に昇進すること。
だいたい3年以上の薬剤師経験があれば管理薬剤師ができると判断されることが多いです。
ただし個人の薬局などは店舗数も少なく、管理薬剤師の枠がタイミングよく空かない場合もあるため、昇進を狙っている場合には注意が必要です。

2.管理薬剤師のなり方:転職
そして2つ目は、管理薬剤師の求人がある薬局に転職をする方法です。

5.管理薬剤師のメリット
- やりがい
- 自己成長
- 年収アップ
管理薬剤師の一番のメリットは、やりがいと自己成長だと思います。
自分の責任者としての振る舞いにより、店舗の雰囲気が良くも悪くもなるので、自分の力を試せるチャンスになります。

そして、管理薬剤師は社外の方と交流をする機会も多く、様々な出会いがあります。
その出会いから受けた影響により、自分自身の成長に繋がる部分もたくさんあります。

また管理薬剤師になることは、お金の面でもメリットがあります。
一般的に管理者手当の相場は月3-5万円と言われおり、だいたい年収50万円前後上がることが多いです。

6.管理薬剤師のデメリット
- 自己犠牲
- 副業禁止
管理薬剤師になるデメリットは、自分の利益よりも薬局の利用者や他のスタッフの利益を優先させなければならないことです。
薬局での業務を円滑に進めるためには、管理者が他のスタッフの利益を一番に考えて信頼を得ることが必要なのです。

また管理薬剤師になると、基本的に薬事に関する実務が禁止されてしまうため、他の薬局やドラッグストアでの単発派遣やアルバイトをすることができなくなります。

7.実際に管理薬剤師として働いた感想
私は新卒2年目の冬から、会社を辞めるまでの約2年間を管理者として務めることができました。
その2年は、本当に・・・疲弊しました。
業務後や休日は店舗携帯を持ち、理不尽に怒る患者さんへのクレーム対応。

シフトなど自分の都合を優先したい時もあるけど、他のスタッフと不公平にならないよう気を遣う必要もあり、もどかしく思うことも・・・。
今その当時を振り返ると、自分には管理者になる力量がなかったんだなと反省しか浮かびません。

当時私が勤めていた薬局では、管理者手当として月に3万円もらえていました。
手当自体はボーナスに反映されませんが、管理職に就くことで基本給も上がったため、一般職よりもボーナスや退職金が少し増えていたと思います。

しかし、今でも強く言えることは管理者になる一番のメリットはお金ではなかったということです。
それよりも大切だったのは人との出会いでした。
薬局会議に参加することで仲良くなった管理薬剤師の先輩。
飲み会をしたり、山登りをしたり、家で一緒に料理を作ったり・・・と良い思い出もたくさんあります。

他の会社の管理薬剤師との集まりに参加させてもらうことで、プライベートで競馬に行く仲になることもできました。

あなたが管理薬剤師に興味があるのなら、ぜひ管理薬剤師として働いて欲しいです。
管理薬剤師は向いていないと思っていても、意外と上手くこなせるかもしれません。
もし失敗しても自分の成長に繋がるし、失敗から気付けることもたくさんあると思います。
他のスタッフのことを考えて行動できていれば、人はついてきてくれますし、きっとあなたに協力してくれる。
一生懸命なら、応援してくれる人がたくさんできますよ。

8.管理薬剤師の求人
年収が上げたいという目的で管理薬剤師になるのならば、社内での待遇と転職での待遇の差を比較しても良いのかなと思います。

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