薬剤師のアレコレ

服薬指導のための花粉症・アレルギー検査のお勉強【初級編】

投稿日:

 

こんにちは!

コグレハルコです。

 

今年も3月に入り、暖かくなり始めましたね。

 

この時期は、何と言っても花粉症の患者さんが増える!!!

それなので、アレルギー検査の結果を見る機会も必然的に多くなります。

 

悲しいかな、春という時期に欠かせない花粉症。

今回はそんな花粉症とアレルギー検査について簡単にまとめてみました。

 

この記事が、みなさんの服薬指導の参考になると嬉しいです。

 

花粉症について

花粉症とは?

まず、花粉症についてです。

簡単に言うと、外部から入ってきた花粉を取り除こうとすることで起こるアレルギー反応ですよね。

 

花粉症の主症状

そんなアレルギー反応(いわゆる、花粉症の症状)は、主に鼻や目に出ます。

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • くしゃみ
  • 目の痒み

この症状はヒスタミンが、鼻や目の神経、血管を刺激することで起こると言われています。

(だから、抗ヒスタミン薬が処方されるんでしたよね!)

 

花粉症のアレルギー検査とは?

花粉症の見分け方

ですが、症状がもし鼻にしか出ていなかったら、風邪なのかアレルギー反応なのか分からないですよね。

鼻水の色(無色透明)で、ある程度アレルギーだと判断できても、スギやヒノキ、ハウスダストなど原因になる物質がたくさんあり、特定することは困難です。

 

アレルギーの原因が特定できた方が、患者さんとしてはいつの時期に薬を飲めばいいか分かるので有難い。

 

そこで病院で行っているアレルギー検査の一つに、特異的IgE抗体をみるものがあります。

 

IgE抗体って?

IgE抗体は、リンパ球で作られる免疫ブログリンEタンパク質のことです。

 

花粉が目や鼻から入り、体内の免疫システムで“敵”とみなされると、対抗するために抗体(IgE)が作られます。

このIgE抗体は、花粉に接触するたびに作られ、少しずつ体内に蓄積されていきます。

 

 

そしてIgE抗体の蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきた時にアレルギー反応(ヒスタミンの分泌など)が起こります。(←重要!!)

 

 

(※マスト細胞から出るアレルゲン誘発物質には、ヒスタミンの他にロイコトリエン・トロンボキサン・PAFなどがあります)

 

特異的IgE抗体検査とは?

このIgE抗体の性質を利用して、患者さんの血液中にどのアレルゲンに反応するIgE抗体があるか見分けるのが特異的IgE抗体検査です。

 

この検査では、

  • 抗体がない:(特異的IgE抗体)0.34UA/mL以下
  • 抗体がある:(特異的IgE抗体)0.35~100UA/mL

と定めており、

この0.35~100UA/mLを、数字が小さいクラスから順に6段階(1~6)に分類しています。(RASTスコア)

(※以下で図にまとめてあります)

 

特異的IgE抗体検査で陽性でも症状は出ない?

陽性でも症状が出ない理由

ここで大切なのは、この検査で陽性となっても必ず症状が出るわけではないという事です。

 

先程も書いたように、IgE抗体の蓄積量があるレベルに達すると、次に花粉が入ってきた時にアレルギー反応(ヒスタミンの分泌など)が起こります。

と、いうことはつまり‥‥!!

 

IgE抗体の存在はアレルギー反応を起こしている状態を意味するのではなく、アレルギー反応を起こす準備ができている、感作された状態を示すものなのです。

 

簡単に言うと、血液中にIgE抗体があっても、身体に鼻水や鼻づまりなどのアレルギー症状が出るかは、分からないということです。

 

特異的IgE抗体の量と症状との相関性はある

もちろん、RASTスコアでのクラスが高いほどアレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)である可能性は高く、重篤な症状を引き起こす危険性は高いので注意が必要です。

 

(参考;特異的IgE抗体のクラス判定とスギ花粉症の季節時発症率 大塚博邦、他 アレルギーの臨床13(10)1993)

 

花粉症について:まとめ

耳鼻科の門前薬局に勤めていると、患者さんがアレルギー検査の結果を手に来局することがあります。

 

今までは、数値が微かに反応しているようだけど‥‥これが原因なのか?それとも、こっちなのか??

分からないから、触れないでおこう‥‥と思うこともしばしば。

 

しかし、今回勉強をしてみるとクラス5,6のものはだいたい症状が出て、クラス3以下になると症状が出ない人が多いんだなということが分かりました。

 

これをきっかけに、患者さんを通して先生の見解(経験上どこらへんでアレルギー鼻炎と判断するか)を、聞き出せたら服薬指導の幅が広がりそうですよね!

 

 

 

 

この記事が、みなさんの参考になれば嬉しいです。

 

 

目指せ服薬指導の達人!薬剤師コグレハルコおすすめの転職サイト

ファルマスタッフ


→コグレハルコが派遣薬剤師として働いていたときにお世話になっていた。

当時他社と比較して高時給求人が多数あったため、正社員として転職する際も心強い味方に。

 

エムスリーキャリア




→レスポンスが早く、フォローが手厚い。

連絡がマメなので、転職活動をする時はとりあえず活用させてもらっている。

 

マイナビ薬剤師


→転職会社の王道中の王道。

登録から時間が経ったあとも定期的に電話がくるので、そういうのが面倒に感じる方は注意が必要。

(コグレハルコはめんどくさがりなので、電話に出ていなかった←こらこら)

 

 

-薬剤師のアレコレ

Copyright© 薬剤師転職物語 , 2023 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.