あらすじ
派遣薬剤師は、健康保険・厚生年金・雇用保険ってどうなっているの?
ニュースキャスターがやってみたい蛙
こんにちは、みなさん。FROG NEWSのお時間です。
本日取り上げるニュースはこちら・・・
ズバリ「派遣薬剤師って不安じゃないの?正社員の方が保証されているでしょ問題」です。
ゲストには、現在も派遣薬剤師として活躍していらっしゃるヤクミ先生をお招きして、こちらの問題を検証していきたいと思います。
斎藤ヤクミ(薬剤師免許を持つ自称転職解説員)
こんにちは、ただいまご紹介にあずかりました派遣薬剤師の斎藤ヤクミです。
派遣薬剤師をしていると、よく他の方から「派遣って不安じゃないんですか?」と聞かれることがあります。
実際、私自身も派遣薬剤師として働くまでは不安に思っていました。
しかし今になって振り返ると、それは「何となく不安・・・」という漠然としたものだったように思います。
もしも今現在、「派遣に興味はあるけど・・・なんか不安。」と思っている方がいらっしゃるようあれば、是非今回のお話しを参考にしていただきたいです。
「派遣薬剤師って、健康保険や厚生年金はどうなっているの?」
「病気になった時に、正社員の方が心強そう。」
この記事は、“正社員と派遣社員の福利厚生の違いが知りたい方”や、“派遣薬剤師として働いてみたいけど保険や年金について不安があるという方”に向けて書いています。
こんにちは。
薬剤師6年目で現在は派遣薬剤師として働いている こぐれはるこ と申します。

私は実際に派遣という働き方について調べるまで、漠然と派遣社員って不安だなという気持ちを持っていました。
そして実際に派遣薬剤師として働いている今、他の方から「派遣社員って大丈夫なの・・・?」という疑問を投げかけられることも多いです。
この記事では、正社員・パート・派遣社員 それぞれの働き方の違いや、派遣薬剤師の福利厚生について解説していきたいと思います。
もし今現在あなたが、派遣薬剤師として働いてみたいけど、何かあった時に不安だなという思いがあるのなら、少しでもその気持ちが解消されると嬉しいです。

正社員・パート・派遣社員の違いとは?
最初に、薬剤師として働く時に選択することが多い働き方について確認してみましょう。
- 正社員
- パート社員
- 派遣社員
この3つの働き方が多いですね。
それぞれの働き方には、どのような違いがあるのか。
ヤクミ先生、お願いします。
はい、順を追ってご説明しましょう。
①【正社員・パート】⇔【派遣社員】どこに雇用されているのかで分類されます。
<雇用先>
・正社員、パート:企業や会社の直接雇用
・派遣社員:人材派遣会社(実際に働く会社とは直接の雇用関係はない)
②【正社員】⇔【パート】時間の長さで定義されます。
<時間>
・パート:正社員の1週間の所定労働時間よりも短い
きちんと定義されている違いは、上記のみです。
まず、
①【正社員・パート】と【派遣社員】の違いは雇用主。
【正社員・パート】は直接会社に雇用されていますが、【派遣社員】は派遣会社に雇用されています。
②【正社員】と【パート】の違いは勤務時間。
【パート】という働き方は、【正社員】の労働時間よりも短い勤務時間となります。
ちなみに、【派遣社員】の労働時間は契約次第なので、週40時間の場合もありますし、それ以下の場合もあるので勤務時間での比較はできません。

正社員とパート社員という働き方の違いから、ボーナスの額の差が明確に規定されている訳ではありません。
全ては、会社の規約によるのです。

正社員と派遣社員のメリット・デメリット
なるほど。
正社員とパート社員は、社内規約を確認しないと明確なメリットとデメリットが分からないということですね。
会社によって、パートの昇給や賞与、退職金のあるなしは変わってくる・・・ということですか。
分かりました。
パートという働き方は、その会社の待遇次第で変わってくる事が多いので、他の働き方と比べるのが難しいようですね。
では同じフルタイムで働くことの多い、正社員と派遣社員のメリット、デメリットについてはどうでしょう。
基本的には正社員とパートは、昇給率や賞与の金額が異なると言われていますが、一概には言えません。
むしろ、調剤薬局の場合は、「正社員の年収を時給換算したらパートの時給よりも低かった・・・」という悲劇が起こる可能性もあるので、注意が必要です。
また、パートと派遣社員の働き方について比較できるメリットは・・・
・【時 給】パート < 派遣薬剤師
・【時間の融通】パート > 派遣薬剤師
こちらの2点だと思っています。
次に、正社員と派遣社員の比較に入ります。
おおまかですが、個人的にこのような認識です。
・雇用の安定:正社員○ 派遣社員×
・賞与退職金:正社員△ 派遣社員×
・昇給昇格:正社員○ 派遣社員△
・責 任:正社員◎ 派遣社員△
・残 業:正社員○ 派遣社員△
これを見ると給料や雇用の面で、正社員は保証されていますね。
正社員であれば、基本的には年々お給料が上がっていきますし、原則定年まで勤めることができます。

それに比べて派遣社員は、雇用主との間に約束された昇給というものはありません。
ただし、地方で働くなど自分の選択次第では、大幅な給料アップが望める働き方ではあります。
そして、雇用の安定という面では、派遣社員は残念ながら正社員の足元にも及ばないように思います。

ただ、求人はあるので仕事自体はあります。
一方で、派遣社員のメリットもあります。
例えば正社員は、労働規約および就業規則に残業を行わせる旨の定めと、時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)の締結及び労働基準監督署への届け出がされている場合には、正当な理由なく残業が断れません。
派遣社員についても、残業がある旨を労働条件に明示されていれば正社員と同様に断れない規則になっていますが・・・。
しかし、派遣薬剤師として考えた場合は、残業を強いられるケースは少ないので、あまり心配する必要はないと思います。

福利厚生とは何か
正社員、パート、派遣社員の分類、賞与や昇給の違い、会社から求められている働き方の違いは分かりました。
では、本題に入りましょう。
ズバリ、病気になって働けなくなった時や失業した時に、社会から受けれられる恩恵は、正社員の方が恵まれているのではないのですか?
ヤクミさん、こちらについてどう思われますか?
はい、正社員、パート、派遣社員という働き方で有利不利になることはないと思っています。
確かに、働いている時間や年収で支給される金額が変わってくることはありますが・・・。
なじみのない方にも分かりやすいよう、福利厚生の話からはじめましょう。
◎福利厚生=法定福利厚生+法定外福利厚生
○法定福利厚生=社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金・子ども子育て拠出金)+労働保険(雇用保険・労災保険)
○法定外福利厚生=住宅手当・健康診断・リフレッシュ休暇・資格手当など
まず、福利厚生は法定福利厚生と法定外福利厚生があります。
そのうち法定福利厚生は、健康保険や年金など社会保険と、雇用保険と労災の労働保険の2種類で成り立っています。
法定福利厚生については、法令や政令によって会社に費用負担が義務付けられています。

ちなみに法定福利厚生における、会社負担の割合は決まっています。
- 健康保険/厚生年金/介護保険→(会社5割(以上):従業員5割(以下))
- 子ども子育て拠出金→全額会社負担
- 雇用保険→(会社2/3:従業員1/3)
- 労災保険→全額会社負担
それに比べ、法定外福利厚生は提供が会社側の任意によるものとなります。
住宅手当や、会社独自の休暇など、会社の規定により変わります。

社会保険の加入条件
なるほど。
社会保険には、加入条件はあるの?
ありますよ。
社会保険(健康保険や年金など)は、会社と従業員それぞれに加入条件があります。
会社においては、基本的に5人以上の従業員がいれば強制。
従業員においては、「常時使用」が条件となるの。
※常時使用・・・1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が一般社員の3/4以上

労働保険の加入条件
労働保険の加入条件については?
労災保険は従業員は全員です。
雇用保険は所定労働時間が週20時間以上あって、31日以上継続して雇用される見込みがあれば全員。
ちなみに、雇用保険とは従業員の雇用の安定や促進を目的として作られていて、介護・育児・失業など働けなくなった場合に使えます。
健康保険と雇用保険が大事!!
日本は、保険や年金が充実してますね。
確かに、加入要件を満たす時間分ちゃんと働いていれば、どの働き方でも変わらないかもしれないですね。
そうなんです。
会社の法定福利厚生で健康保険と雇用保険に入っているので、心配の種である「病気で働けなくなった時」と、「育児や失業で働けなくなった時」のお金の面については、きちんと保証されているのです。
●健康保険には、傷病手当金という休業中の所得補償が用意されています。
ただし、利用するには3つの条件があります。
1、業務外の病気やケガの療養のための休業(仕事や通勤中ならば労災保険)
2、労務不能の状態(それまで行ってきた仕事ができない状態)
3、連続する3日の待期期間を含み4日以上休んでいる
※勤務先から給与が支払われている場合は給付されません
●雇用保険には、失業保険という所得補償が用意されています。
ただし、利用するには3つの条件があります。
1、(基本的には)離職の日以前の2年間で1年以上雇用保険に加入している
2、失業の状態(本人やハローワークの努力によっても職に就くことができない)
3、ハローワークに「求職の申込」をしている
社会保険に加入しない派遣会社があるので注意!!
なるほど。
これを知っていれば、病気になった時や仕事がなくなった時も安心です。
確かに、正社員・パート・派遣社員というのは、一定の働く時間を満たしていれば、自分に合ったワークスタイルで選んで良いのかもしれませんね。
ヤクミ先生、今日は本当にありがとうございました。
いえいえ、私にとっても大変楽しい時間でした。
一つ注意しておきたいのですが、なかには健康保険に加入してくれない悪徳な派遣会社もあるようです。
そのような派遣会社を選ばないためには、従業員が多い、いわゆる大手企業を選ぶ方が安心だと思っています。
事実、大手の派遣会社には優良派遣事業者認定と職業紹介優良事業者認定を取得しているところがあります。
やはり規模が大きい会社の方が不法行為をせず、法令順守に力を入れていると言えるのではないでしょうか。
今回は、大手で信頼のおける2社を紹介して終わりにさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
ファルマスタッフ
私はファルマスタッフを利用して派遣薬剤師として働いています。
優良派遣事業者認定と職業紹介優良事業者認定されてます!
薬キャリ(旧:エムスリーキャリア)
薬剤師登録者数No.1の派遣会社。
登録者数が多ければ多いほど、変なことはできない世の中ですからね!

少しでも派遣薬剤師に興味があれば、派遣会社にお問い合わせください!