派遣薬剤師をしていると、派遣先の社員の方に派遣としての働き方について聞かれることもがよくあります。
次に転職するときは派遣薬剤師として働きたい・・・。
ただ、派遣という働き方が本当に今の状況よりも順道なのか不安に思い、足踏みをしてしまう方もいるかと思います。
そこで派遣という働き方が本当に妥当なのか、今回は実際に派遣として働いて感じているデメリットについてまとめてみました。

派遣薬剤師のデメリット
- 悪口の対象になりやすい
- 監査投薬の業務がメイン
- 管理薬剤師など責任のある立場に就くことはできない
- 在宅や施設の訪問ができない
- 薬局が営業してない日を有給休暇にあてることができない
- 夏休み・冬休みというくくりはない
- NO WORK NO PAY
- 希望しても契約が更新されない場合がある
- まとめ
あらすじ
1. 悪口の対象になりやすい
派遣の悪口は言いやすいんですよね。
その店舗に慣れていないのでミスもしがちですし、確実にずっと一緒に仕事する訳ではないと分かっている、また自分より待遇が良いというのが背景にあるかと思います。

確かに、派遣だからと適当に仕事されている方も中にはいると思いますが、派遣として働く場合には“正社員との間には確執があるもの”と思って仕事をした方が良い気がします。

2. 監査投薬の業務がメイン

正社員の時はやることが多すぎて、患者さんと世間話をする時間や薬歴に費やす時間が正直ツライと思うこともありました。
ただ、派遣薬剤師になった今では投薬が嫌だと思うことがなくなりました。
薬剤師の要の仕事は患者さんが正しく薬を使えるよう手助けをすることだと思っており、その仕事を一番まっとうできる働き方が派遣なのではないかと思い始めています。

3. 管理薬剤師など責任のある立場に就くことはできない
自己研鑽のため、管理薬剤師や幹部社員になることを将来のビジョンとして描いている方もいるかと思います。
残念ながら派遣社員というのは、 “派遣先の指揮命令を受けて業務を行う立場の労働者であり、派遣先の指揮命令者からの業務指示によって仕事を遂行する” という位置付けにあるので、派遣薬剤師自身が管理薬剤師などの指揮命令者になることはできません。
『将来的に責任のある仕事に就く』という目標があるようなら正社員として働きやすい職場を見つけるのが最善かもしれません。

4. 在宅や施設の訪問ができない
“派遣社員は契約を結んだ店舗の中でのみ仕事に従事できる” という決まりになっているので、店舗の外に出てしまう在宅や施設の訪問はできません。
もちろん施設の往診同行に携わることもできないので、薬剤師として医師や他のコメディカルと連携しながら仕事をしたいと思っている方は派遣という働き方では難しいかもしれません。

5. 薬局が営業していない日を有給休暇にあてることはできない
例えば、土日休みの契約で働いている場合に・・・
①土曜日が祝日で休み→週休
②土曜日以外の日に祝日があり休み→無給
つまり週休以外の祝日に休んだ場合は、給料の出ないただの休日になってしまうのです。

6. 夏休み・冬休みというくくりはない
正社員であれば、有休の他に福利厚生として夏休みや冬休みが何日間かもらえる場合がありますね。
派遣社員にはそういう特別休暇は一切ないので、休みを取りたい場合は有休かもしくは欠勤にするしかありません。

7. NO WORK NO PAY
出勤のとき電車が遅延した場合、どのように処理していますか?
社員であれば、遅延証を駅でもらいタイムカードに遅延証を添付して提出すれば遅刻はなかったことに・・・。
ですが、派遣の場合は遅延証を提出しても遅刻した分の時間、給料は支払われることはありません。
まさしくNO WORK NO PAYです。

8. 希望しても契約が更新できない場合がある
正社員であれば、クビになることはそうそうありません。
派遣社員も、契約期間内にクビになることはそうそうありません。
ただ派遣という働き方は、派遣先で今後人手が必要ないと判断されれば 契約期間が終わり次第 一切の迷いなく切られます。

残念ながら人材が充足されれば、どんなに一生懸命に働いていても、その頑張りが考慮されて延長されるということはないでしょう。
派遣薬剤師を雇うのは、社員の産休育休の間だったり、正社員補充までの繋ぎという場合が多いので、その問題が解消されれば必要なくなるのも当然です。
正社員を雇うと基本的に会社の都合でクビにすることは難しいので、短期間と分かっていれば派遣を入れたほうが会社にとって有益です。
それなので、多少高くても派遣を導入するのです。

9. まとめ
デメリットを考察していく中で、驚くほど辛辣な言葉が出てきてしまいました。
ただし、自分の中でこれ以上でもこれ以下でもない本音です。
確かに、派遣薬剤師の中には意識が低い働き方をしている方もたくさんいると聞きます。

それなので、社員の方々からの派遣薬剤師への評価がもともとマイナスになってしまっている場合もあり肩身の狭い思いをすることがあるかもしれません。
ただ、家族や自分の趣味のために時間を使いたいとか、目標のために勉強する時間が作りたいとか、薬剤師としての時間の他にやりたいことがあった場合に、派遣という働き方は本当にワークライフバランスがとれるのでオススメです。
