こんにちは!
薬剤師6年目のコグレハルコと申します。
今回の記事では、調剤薬局の仕事内容、年収の相場、働くメリット・デメリットについてまとめました。
調剤薬局での業務に興味がある方、自分が行っている業務と比較がしたい方の参考になれば嬉しいです。

1.調剤薬局薬剤師の仕事内容
調剤薬局の薬剤師の仕事内容を、3つに分けて説明していきます。
- 外来の患者対応
- 在宅(施設)の患者対応
- その他業務
調剤薬局薬剤師の仕事1:外来患者対応
外来患者の対応の流れは、以下のようになります。
- 処方箋受付
- 入力
- 調剤
- 監査
- 服薬指導
- 会計
- 薬歴
4.5.7に関しては、必ず薬剤師が行う業務になります。
しかしその他の業務に関しては、会社や店舗によって医療事務・薬剤師のどちらが行うか異なります。

1.処方箋受付
外来対応では、患者さん自身や代理の方が薬局の受付窓口に処方箋を持参します。
2.処方入力
店舗によっては医療事務の人数が少ない場合があり、薬剤師も処方入力をする必要があります。
3.調剤業務
処方箋の内容に不備がないか確認をしながら、調剤をします。(ピッキング)
散剤や水剤、軟膏mix以外の形の変化がないものに関しては、薬剤師以外のスタッフが調剤を行っても問題ありません。

4.監査業務
監査では以下の2点が重要です。
- 処方箋に不備がないか
- 処方箋の内容と調剤された薬が合っているか
もし処方箋に不備があれば、疑義照会をすることも薬剤師の重要な業務です。

5.服薬指導
新患や初めて渡す薬がある場合には、最低限確認したい項目です。
- 既往歴の確認
- 併用薬との飲み合わせ
- 副作用歴の有無
- 処方内容と患者さんの主訴が合っているか
- 渡す薬が本当に処方箋の内容と合っているか
→特に緑内障、気管支喘息、前立腺肥大症は処方できない薬があるので注意
→飲み合わせについては併用禁忌の薬が処方されることはまれだが、同種同効薬などの処方は比較的多いので注意
→抗生剤など副作用が出やすい薬を渡すときは特に、副作用歴の有無を確認

6.会計
お会計は、医療事務・薬剤師のどちらが行うか薬局によって異なります。
7.薬歴記載
最後に、服薬指導の内容を薬歴に残す必要があります。
最近では電子薬歴の薬局が多く、SOAP(ソープ)形式で記載しています。
- S(subjective):主観的情報
- O(objective):客観的情報
- A(assessment):評価
- P(plan):計画

調剤薬局薬剤師の仕事2:在宅(施設)の患者対応
在宅(施設)の患者対応の流れは、以下のようになります。
- 処方箋受付
- 入力
- 調剤
- 監査
- 在宅(施設)訪問
- 会計
- 訪問薬剤管理指導報告書
3.4.7に関しては、必ず薬剤師が行う業務になります。

1~4.受付→入力→調剤→監査
処方箋は、基本的に病院からFAXが送られてくる場合が多いです。
在宅や施設の処方内容は、一包化など調剤に時間がかかってしまうことも多く、予め作製(予製)している薬局が多いです。

5.在宅(施設)訪問→6.会計
在宅では、実際に患者さんの住居で、薬の管理をします。
基本的に現地では以下の業務をしています。
- おくすりカレンダーに薬をセット
- 残薬の管理
- 服薬支援
- お会計(振込の場合も多い)
在宅では、患者さんが薬をきちんと飲めているか確認することも大切ですが、適切に残薬の管理をし医療費削減に繋げることも重要です。

7.訪問薬剤管理指導報告書
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)
- 介護予防居宅療養管理指導費(介護保険)要支援1~2
- 居宅療養管理指導費(介護保険)要介護1~5
上記のいずれかを算定している場合には、訪問薬剤管理指導報告書や計画書の提出が必要になります。
医療保険→医師
介護保険→医師・ケアマネ
訪問薬剤管理指導報告書は、一般的にSOAP形式で記載します。

調剤薬局薬剤師の仕事3:その他業務
患者さんに薬を渡すだけではなく、渡す前の在庫管理や渡した後のフォローも薬剤師の仕事です。
- 医薬品在庫管理
- 医薬品発注
- 医薬品納品
- 電話対応
- 社内勉強会参加
医薬品管理
毎日、卸への医薬品の発注と納品の業務を行っています。
また期限が切れた薬の廃棄など、医薬品管理も薬剤師が行う仕事になります。

電話対応
医薬品は、患者さんに渡った後のサポートも薬剤師の仕事です。
そのため、服用後に副作用などの症状が出た場合や他の病院でもらった薬との飲み合わせ、飲み間違いについての問い合わせなど、電話での対応をすることも多いです。

社内勉強会参加
規模が大きい調剤薬局では特に、社内での研修や勉強会の頻度が高いです。
2.調剤薬局薬剤師の年収相場
マイナビ薬剤師によると、
全国の調剤薬局勤務・平均年齢41.6歳(フルタイム)での
平均年収は583.8万円のようです。

調剤薬局の年収においては、年齢よりも重要な要因があります。
もちろん薬剤師が少ない場所など、働く地域も重要です。
しかし、それ以上にいかに薬剤師を必要としている薬局に出会えるかということが重要です。
その薬局でのニーズが高ければ高いほど好条件の求人を出すため、その地域での相場よりも高い年収が見込めます。

3.調剤薬局で働く薬剤師のメリット
では、調剤薬局で働くメリットは何でしょうか。
- やりがいがある
- 出世がしやすい
- 転職のハードルが低い
- プライベートの時間を作りやすい
- 産休・育休が取りやすい
調剤薬局で働くメリット①やりがい
患者さんの疑問や不安の解消をし感謝されると、薬剤師としての自信もつき、やりがいを感じます。
患者さんから信用されると、かかりつけ薬剤師に選んでもらえることもあり、信頼がカタチになって表れるのでモチベーションアップにも繋がります。

調剤薬局で働くメリット②出世がしやすい
一般的に、調剤薬局では3年以上の薬剤師経験があると管理薬剤師の候補になると言われています。
調剤薬局は女性が多く、結婚・産休・育休により一度管理者を退く方も多いです。
そのため、管理薬剤師としての経験を積めれば、エリアマネージャーなどの出世も見込めます。

調剤薬局で働くメリット③転職のハードルが低い
転職のハードルが低い理由として、以下のものが挙げられます。
- 求人がたくさんある
- どの職場でも仕事内容が近い
- ほとんどの薬剤師が転職を経験している
全国に求人があり、どこの職場でも基本的には同じような業務。
転職に対するハードルが低いと、精神的なゆとりを持って働けるというメリットがあります。

調剤薬局で働くメリット④プライベートの時間を作りやすい
プライベートの時間を過ごしやすい薬局を選べば・・・、自分の時間が作りやすいです。
薬局によっては、日曜・祝日も営業している店舗もあるので、調剤薬局全般に言えることではないというのが現状です。

調剤薬局で働くメリット⑤産休・育休が取りやすい
産休・育休については、女性が多い職場だからこそと言えるでしょう。
国で定められているだけではなく、多くのスタッフが実際に産休・育休を取っているので、自分に置き換えても利用しやすい制度と言えます。

4.調剤薬局で働く薬剤師のデメリット
調剤薬局で働く主なデメリットはコチラ。
- 年収が頭打ち
- 意外と体力を使う
調剤薬局で働くデメリット①年収が頭打ち
大学卒業後は、一般的な職業よりも高い水準でお給料がもらえると言われています。
しかし出世をせずに勤務薬剤師に留まると、年収が頭打ちになるのが早いです。

調剤薬局で働くデメリット②意外と体力を使う
大学時代は、「調剤薬局が、楽そう!」と思いませんでしたか?
それは・・・店舗次第です。
意外と体力を使う職場も多いのが現状です。
特に、この3つの店舗には注意が必要です。
- 近隣の医療機関の受付時間が長い
- 大学病院の近くなど、患者数が多く、処方内容も重い
- 在宅や施設の応需枚数が多い
残業などで勤務時間が長くなってしまうと、体力的に厳しく感じてしまうのではないでしょうか。
調剤薬局で残業が長くなる要因として、門前の医療機関が終わらない・日中に薬歴が書けない・在宅など予製が多いという理由が挙げられます。
基本的に余程体力に自信があるようでなければ、上記のような薬局はなるべく避けた方が良いというのが個人的な感想です。

5.【まとめ】調剤薬局の働きやすさについて
調剤薬局での仕事内容については、基本的に複雑なものはありません。
しかし仕事の忙しさや、職場のスタッフの協力、患者さんの態度次第で、働きにくく感じてしまうこともあると思います。

ただし調剤薬局への転職は、様々な選択肢があります。
大手の調剤薬局から個人の小規模な薬局の中でも、忙しさや仕事のやりやすさなど異なる部分も多いでしょう。
その中から自分に合った職場を選ぶことが、調剤薬局で働くにあたっては非常に重要だと思います。
働きにくければ、働きやすい薬局を探す・・・
それができるのが、薬剤師のメリットです。
