あらすじ
薬剤師も、新卒から3年間は転職しない方が良いのか
ニュースキャスターがやってみたい蛙
こんにちは、みなさん。FROG NEWSのお時間です。
本日取り上げるニュースはこちら・・・
ズバリ「薬剤師でも新卒から3年は働き続けるべきでしょ問題」です。
ゲストには、現在も派遣薬剤師として活躍していらっしゃるヤクミ先生をお招きして、こちらの問題を検証していきたいと思います。
斎藤ヤクミ(薬剤師免許を持つ自称転職解説員)
こんにちは、ただいまご紹介にあずかりました派遣薬剤師の斎藤ヤクミです。
突然ですが、あなたは「嫌なことがあっても、新卒から3年間は我慢するべきでしょ~。」という世間の目を感じたことはありませんか?
実際、若かりし頃は私もそのように言われてきました。
そして私自身も、3年は勤めるべきという固定概念を持っていたように思います。
もしも今現在、「仕事はツライけど、どうしても3年間は勤めないといけないんや・・・。」という思いでいるのならば、是非今回の話を参考にしていただきたいです。
「まだ入社してから3年経っていないけど、仕事を辞めても良いのかな?」
「もうすぐ3年経つから仕事を辞めたいな。」
この記事は、“3年を一つの節目として転職を考えている方”に向けて書いています。
こんにちは。
薬剤師6年目で現在は派遣薬剤師として働いている こぐれはるこ と申します。
私が新卒で入社し正社員で働いていた調剤薬局は、固定残業20時間・年間休日110日の調剤薬局でした。(基本給21万・薬剤師手当5万)

大学時代の私は、就職に対して何の知識もなかったので、
「これくらい月給があれば、大手の薬局よりは多いな。」
「とりあえず、同期がたくさんいる薬局の方が楽しそうだな。」
という理由だけで、深く考えずに職場を選んでいたように思います。
実際に入社し、しばらく経つと「こんなはずじゃなかった・・・。」とすぐに辞めたくなってしまったことを、今でも鮮明に覚えています。
だけど、「3年間は働いた方が良い」という自分の固定概念や、周囲からのアドバイスにより3年を目標に頑張ってきました。
私は幸い、会社の待遇面についての不満しかなく、職場の環境や人間関係については、ほとんどストレスがなかったので、自分の目標である3年という年数を達成することができました。
しかし、人間関係や体力的な面で働き続けることが難しいと思っている方も多いと思います。

お疲れ様です・・・。
もし今現在あなたが、
“3年働かないと転職をしてはいけないのかな。”
“3年経って辞めよう。次はどういう職場を選べば後悔しないのかな。”
という悩みがあるのなら、その悩みを解決するお手伝いがしたいと思っています。
薬剤師でも3年間は働いた方が良い!はウソ?!
ではまず、Oさんについての資料からご覧ください。
Oさん(K大卒薬剤師歴7年)
僕は新卒で、ドラッグストアに就職したんです。
だけど本当に嫌だったので、半年で退職しました。
そのあと、都内に30店舗ほど展開している調剤薬局に転職しました。
その薬局は残業がエグくて、体力的にしんどかったので6年で辞めました。
今の薬局では半年が経ち、今が一番年収も良いし残業も10時間以下ですごく満足していますね。
こちらは、実際に こぐれはるこさん が派遣先の薬剤師の方に言われたセリフです。
その時、はるこさんはこう悟ってしまったようです。

そして過去を振り返って考え、気づいたと言います。
自身が辞めるまでの3年半の間に、30人いた同期は12名程になっていたことに。

薬剤師でも3年間は働いた方が良い!はワナ
そうでしたか・・・。
それは、闇が深い問題ですね。
では、なぜ3年という世間から周知された縛りが存在するのでしょうか。
まずは、こちらの図をご覧ください。
(参考:厚生労働省 新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況)
ほう。これは、厚生労働省の離職状況のデータですか。
“薬剤師“という項目はありませんが、医療・福祉に該当しますね。
えーっと、今出ている最新のデータは平成27年。
これによると・・・
- 就業者数:63,299人
- 3年目までの離職者数:23,945人
医療福祉関係では、約38%の方が3年以内に辞めるということですね。
1年目で約13%の方が離職しているというのも分かりました。
そうなんです。
薬学部を卒業してから60歳まで働くと仮定して、その間36年あります。
3年以内で38%の離職率とすると、残りの33年間の勤続年数の方の離職率が62%・・・。
つまり3年以上勤めていれば、その後の退職率は緩やかに下降するというのが現状のようです。
そのため、退職金が勤続3年から発生する薬局も多いです。

確かに、退職金をもらえるのは有難いです。
しかし私は3年半勤めて、退職金は20万円弱でした。
同じ薬局に20年、30年勤めるという意気込みがないのなら、退職金目当てで働き続けるというのは時間がもったいないと感じます。

それなら、長く働き続けられる会社を早めに見つけた方が良いではないか。
3年以内で退職する人の理由
では次に、“3年以内に退職する人が多い理由”を見ていきましょう。
はい、こちらです。
- 同年代の薬剤師と比較して、年収が低い
- 仕事が忙しく、体力的にキツイ
- 残業時間が長く、体力的にキツイ
- 職場の環境になじめない
- 結婚
- スキルアップがしたい
どういう転職先を選ぶべきか
年収
上記のような理由で辞める場合に、次の転職先選びでは失敗しないようにするため、転職前に確認すべきことを教えてください。
まずは、1.年収についてですね。
1.同年代の薬剤師と比較して、年収が低い場合
①求人票の給与を確認する(月給or年俸)
②基本給を確認する(ボーナスや退職金は基本給から算出されるため)
③固定残業制ではないか確認する
なるほど。
月給制では毎月安定した給与がもらえるが、飛躍的な給与アップはない。
年俸制では契約した1年間は提示された額が支払われるが、会社の業績悪化などによっては次年から金額が下がってしまう可能性がある。
ただ年俸制だからといって、残業代が出ないというのは誤った知識のようです。
また、転職会社の求人票は基本給と薬剤師手当込みの給与で記載されている場合が多いので、きちんと転職会社の専任コンサルタントに確認をする必要がありますね。
そして管理職に就くと残業代込みの給与になってしまい、仕事量が多くなる割に年収は増えないという場合もあるので注意していきましょう。
では、2.仕事の忙しさについてはいかがでしょう。
仕事が忙しく、体力的にキツイ
2.仕事が忙しく、体力的にキツイ場合
①処方箋枚数と主な応需科目を確認する
②薬局の人数構成を確認する
確かに、軽い処方箋の内容と重い処方箋の内容では、1枚あたりにかかる時間に随分と差が出てきてしまいますからね。
枚数だけでは、忙しさは判断できないように思います。
また店舗の人員が多くても、基本的に夕方以降は正社員のみになる可能性が高く、パートの方が多い職場だと正社員の負担が大きいようです。
注意していきましょう。
続いて、3.残業時間についてです。
残業時間が長く、体力的にキツイ
3.残業時間が長く、体力的にキツイ場合
①薬局の人数構成を確認する
②求人票の平均残業時間を確認する
③在宅や施設の件数を確認する
ここでも、店舗のスタッフが正社員かパートかということが大切になってきます。
上記で述べたように、パートの方が遅くまで残業するというのは稀なので、夕方以降の患者対応は全て正社員の仕事と思っていた方が良いでしょう。
混雑した時間帯の薬歴を記載するために、正社員が残業する可能性は高いですね。
注目したいのが、残業時間が少ない場合は求人票に記載されているということです。
残業時間が少ないことは、求職者へのアピールポイントになるので、会社側は求人票に載せることが多いです。
逆に何も書かれていない場合には、こちらから転職会社の専任コンサルタントに確認してみるようにしましょう。
また最近では在宅や施設に力を入れている薬局も増え、その準備のために夜遅くまで残業するパターンも多く注意が必要です。
では、4.職場の環境を確かめるためにはどうしたら良いのでしょうか。
職場の環境になじめない
4.職場の環境になじめない場合
①転職する前に必ず店舗へ見学に行く
②転職会社の専任コンサルタントを味方につける
やはり、社会人経験があるからこそ今までとは異なる気づきがあるのではないでしょうか。
実際に薬局の店舗に行き、他のスタッフの方と話すことで、自分に合うか合わないか分かる部分が大きいと思います。
また転職したい薬局について知るためには、転職会社の専任コンサルタントから情報を得るのが一番です。
専任コンサルタントは、数多くの薬剤師の前職の職場とその転職理由を知っているため、いわゆるブラック薬局かどうか知っている可能性が高いです。
転職会社からの連絡にはきちんとレスポンスをすることで、コンサルタントから見た私たちの心証を良くするようにし、親身になって転職先を探してもらえるようにしましょう!
(多少の演技も大切です。)
次に、5.結婚についてはいかがでしょう。
結婚
5.結婚の場合
①産休育休の利用実績を確認する
②くるみんマークの認定があるか確認する
結婚をすると数年先のライフプランを見据えて転職をする必要があります。
そこで重要視されるのが産休育休制度ですね。
個人の薬局では、やはり産休育休が取りにくいところもあるのが現状のようです。
そこで、今までのその会社の産休育休制度取得率が重要になってきます。
残念なことに、法的には休ませなければならなくても、制度を利用することにより職場での自分の立場が悪く変わってしまうこともあるので、今までの実績の有無は確認した方が良いでしょう。
また、薬局の中にはくるみんマークを取得している企業もあります。
“子育てサポート企業”と厚生労働大臣に認定された場合に、くるみんマークを取得することができるので、認定されていればより安心して産休育休を取ることができると思います。
では最後に、6.スキルアップしたい場合に選ぶべき会社はどういったところでしょうか。
スキルアップがしたい
6.スキルアップがしたい場合
①目的のスキルアップができる会社か確認する
②社員の平均年齢を確認する
まずは、目標となるスキルアップができる会社なのか確かめる必要がありますね。
例えば、そのスキルアップというのが管理薬剤師やエリアマネージャー、その以上の立場を目指しているようであればその会社の平均年齢は重要です。
ただ、平均年齢が低いということは管理職に就きやすいということですが、自分の立場に置き換えた時に“自分にとっては仕事を続けられる職場なのか”よく考えてから転職するようにしたいですね。
まとめ
今回は薬剤師でも3年間は勤めるべきか否かという議題で話し合いましたが、いかがだったでしょうか。
討論が非常に長くなり、みなさんの貴重なお時間をいただいてしまいましたね。
最後に、斎藤ヤクミさんにご挨拶をしていただきましょう。
みなさん、本日は私の話を最後まで聞いていただき、本当にありがとうございました。
途中、眠くなるような退屈な場面はありませんでしたか?
今日この場でお話をさせていただき、自分の中でも改めて気づいたことがあります。
それは、3年以内で転職することを後悔するよりも、次に後悔しない転職先を選ぶことの方が大切だということです。
あなたには、今後何十年という長い人生において、自分の働きやすい職場を見つけることがいかに重要かということに気がついていただきたいです。
仕事において“やりがい”というのも、もちろん大切だと思います。
しかし自分を犠牲にした中にあるやりがいを、長い間支えにし続けることができますか?
お金や時間、体力や精神面で自分に余裕が持てたときにこそ、より人を思いやれる心が持てるのではないでしょうか。
その、人に対して思いやりを持つということが、医療従事者にとって、そしてあなたが仕事をするうえで一番大切なことだと思います。
あなたが自分に余裕が持てる職場で長く勤めることができるよう、陰ながら応援しています。
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